路地裏のmuunya

ろじうらのムーニャ

火曜日に現れる

「もう当分来られなくなるから。」
レジがチーンと鳴り、袋に包みながらわたしはその
言葉の先をきいた。転勤だ。青森に行ってしまうらしい。
まただ。さみしい。とおもった。だけれどその言葉は
のどまできたがださず、そうか〜東北には古着屋さんすくない
からよいところがあるとよいね、などと言いながらへらへらと
していた。


丸眼鏡がとてもよく似合うその少年はムーニャができてまもない頃
現れた。その頃のムーニャはまだ国産古着中心で着物やがらくた
火鉢とか和箪笥とかもあってかわいくもありあやしくもあった。
素通りするひとやチラッと入ってでていってしまうひとも多かった。


ゆっくりいろいろみてくれている。なんだか店を気に入ってくれてい
る様子だ。彼の選ぶものは国産のおじさんシャツやスラックスなどと
いった渋めのもの。なかなかいない。よく似合ってとてもすてき。

いつもとくに会話をするわけではなく、ゆっくりすきなように
みていてなにか気に入ったのをみつけて買っていってくれる。
それだけでもうれしいのだけども本当は水曜日が仕事休みだけど
ムーニャ定休日なので火曜日に休みをとって来てくれているときいた

ときには、ああよくズル休みしてごめんなさいとおもったあと、うれ
しいきもちになった。
最近は彼女を連れて来てくれていて、ふたりであれこれみてくれて
いたのでうれしいじかんだった。
さみしいが、また会えるとよいな。
いつも着てくれているムーニャで買った鳥のシャツは
仕入れでみつけたときおもわず、うわーっ!と声がでるぐらい
すてきとおもったシャツです。買ってくれたのを知って、密かに

やはりそうかとおもって、みたときもやはり似合っているなあと
おもいました。ずっとムーニャに来てくれてありがとう。



名古屋にきたらまたきっと寄ってね。
休まずやらなかん。